私は、あなたたちふたりを、愛してます。
Photo is Love - Story 4 -
「ホグワーツでは初めてのライブです。。。」
フリットウィック先生の紹介で、舞台に上がるのは妖女シスターズ!
待ってましたとばかり、フレッドとリーそしてアンジェリーナが舞台へと駆け寄る。
グラムロックに酔いしれるフレッドとリー。ボーカリストに夢中のアンジェリーナ。
ジョージと一緒にその様子を遠巻きに見ながらも、久しぶりのライブを体感し、一汗流した。
さすがに少々踊り疲れ、一息ついていたそのとき。
「は、2人が好きなのね???」
少し酔いがまわったのか。
唐突に、アンジェリーナが、フルーツカクテルの入ったグラスを片手に私を小突く。
「うん、2人とも大好き。」
お酒の勢いか、私まで思わず即答してしまった。
ハッとして、フレッドとジョージを探す。
私の座るソファーの左右へ、もたれようとしていた2人が、顔を見合わせた。
「聞いたか、フレッド?」
「もちろん、ジョージ!」
「それはLikeではなく」
「それはもちろんLOVEだろう?」
「「ま、僕らは解っていたけれどね!」」
とっくにジャケットを脱ぎ去った2人が、バフっと私の両脇に入り込む。
「僕たち」
「ふたりから」
「「愛を込めて!」」
そういって、フレッドが、ジョージが、私の頬に、頭に、キスの雨を降らせる。
リーがニヤニヤしながらシャッターを押した写真。。。
大切な、大切な記念の写真。
あのあと、最後まで踊り、語り、遊び明かし。
いつの間にか談話室に戻っていて。
目をあけると、私は暖炉の前でふたりに挟まれて眠っていた。
私の両隣で、気持ちよさげに寝息をたてるフレッドとジョージ。
そのすやすやという寝息に、パチパチと暖炉で薪が爆ぜる音が重なる。
ゆっくりとした、優しい時間。
永遠に続いて欲しいと願いたくなる、幸せのとき。
「愛しているわ、フレッド」
右の瞼に、そっとキスを一つ。
「愛しているわ、ジョージ」
左の瞼に、そっとキスを一つ。
初めてきちんと、愛の言葉を口にした日。
あのときの気持ちを、この写真は思い出させてくれた。
大好きよ、二人のことが。
愛しているわ、誰よりも。
* * *
7年目のページには。。。
画面に向かって交互にキスをする、フレッドとジョージ。
「ちょっっっ!っと、なにしてるのよ!!」
写真に向かって思わずツッコむ私。
ほんと、こんな写真、いつ撮影したの?
あ・・・れ。
見慣れた制服姿だけれど、まとめられた荷物が、2人の後ろに見隠れする。
これ、もしかして・・・今日?
写真のないもう1ページに、一通の封筒が挟まれていた。
蝋をはがし、羊皮紙を取り出す。
ちょっと汚い、けれど見慣れた2パターンの文字。
『やあ!もしや、泣いているだろう?
でも懐かしい写真をみて、元気がでたかな?
このアルバムは、僕らの愛がつまっているからね!
気に入ったかい?
宝物になるかな?
。
をおいていってしまって。。。ごめんね。
本当は一緒に連れて行きたかったよ。
でもね、には卒業をしてほしいから。
を遠い外国に送り出してくれた、日本のご両親に、
悲しい思いをさせたくないから。
あ、僕らの両親は、大丈夫。
時間がかかるかもしれないけれど、きっとわかってくれるさ。
実は、にお願いしたいことがあるんだ。
これから僕らは悪戯専門店を運営していく。
ラッキーなことに、資金は潤沢にある。嬉しいことにスポンサーがいるからね。
しかし、お金の管理は、僕らにはどうにも無理みたいなんだ。
なにせ、あればあるだけ材料費。
ところがは計算が得意だ。
そう、成績だって、僕らよりもよかった。
はなにより趣味が貯金! あ、怒らないでくれよ?
僕らには到底できないことを、君はやってのけているんだから。
それでだ。
行く末が少々不安な僕たちを、助けてくれないかな?
たしかマクゴナガルの最終就職面接はまだだろう?
どうか、WWWへの就職を考えてください。
(もちろん昇給アリ・食事補助おやつ付・かわいい制服・寮完備!)
卒業の日。
必ず9と3/4番線へ迎えに行くから。
楽しい未来が、僕らに訪れますように!
WWW 社長 WWW 副社長
フレッド・ウィーズリー & ジョージ・ウィーズリー
P.S.卒業まであとすこし、がんばれ。愛を込めてXXX 』
思いもよらない、就職斡旋。
なによりも嬉しいスカウト。
「まったくもう。。。言われなくとも押しかけたってのに!」
悲しい涙にむせび泣くと思った夜が、こんなにも温かいプレゼントに迎えられ、
嬉しい涙が溢れる。
リーは、きっとこのことを知っていたんだろうね。
「ありがとう、ありがとう。。。」
2人との別れの日。
2人からのプレゼントを胸に抱きしめ、2人の愛に包まれて、私は眠りに着いた。
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