僕がに魅かれたのも
アイツがに魅かれたのも
もとは同じ一つの細胞。
“僕ら”だから。
How come it's You - 4
「なぁ、ジョージ。大切な話がある。」
マクゴナガルが入ってくるや否や、フレッドが横に腰を下ろす。
教科書は、めくっているだけで。
その実、なにもみてはいない。
考えているのは、のこと。
僕の気持ちは、朝のあの夢をみてから、形を保たないもやもやしたまま。
奴はそんな心を知ってか知らずか。
「大切な話? なんだ、なにかあったのか?」
フレッドの大切な話・・・と付き合うとか?
勘弁してくれ。
今の気分をこれ以上ドン底に落とさないでくれよ。
「ジョージ。おまえ、が好きだろ?」
「うっ!?」
びくりと体が動き、開いていた教科書のページは一気に最後まで
パラパラとめくれる。
見透かされた?
「そ、そんなにわかりやすいか?」
「いや、わかりやすいわけじゃない。」
ポーカーフェイスを気取って黒板に向き合う我が兄貴。
柄にもなく羊皮紙に目を向けながら、ひそひそと続ける会話に
マクゴナガルも気づかないでいる。
「ジョージ。おまえの気持ちが痛いほどわかるんだ。」
「フレッド?」
「おまえがを好きなように、オレもが好きだから。」
ああ、やっぱりそうだったのか。
が好きだというオモイ。
他の奴には渡したくないというオモイ。
の声を聞くと、鼓動が高鳴って。
のしぐさに、みとれて。
の涙に、切なくなって。
の笑顔をみると、幸せになれて。
だから、ここまで胸が熱くなったんだ。
このキモチを、アイツも持て余していたのか。
「3人で付き合わないか?」
「さんにん・・・?」
「オレと、おまえと、、だ。」
唐突な提案。
しかし、僕の頭の片隅になかったといったら嘘になる。
「今までも“共有”してきただろ?」
「おもちゃも?」
「ああ」
「友達も?」
「ちがうか?」
「・・・そう、だな。」
ゴクリ。
からからに乾いたノドを、唾液が通過する。
フレッドとの会話で緊張するなんて、初めてだ。
異論。
そんなもの、あるわけない。
お互いの気持ちは手に取るようにわかるのだし。
どちらか、なんて、ありえないのだから。
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