いままでだって、これからだって
大切なものは“一緒”だろ?
How come it's You - 3
不意に目が覚めて、窓の外をみた。
星の残る空と朝焼け。
稜線にそって、ゆっくりと朝が訪れようとしている。
「・・・!」
静寂をやぶり、彼女の名をよぶのは、紛れもなく僕の片割れ。
彼は、夢の中で、を抱きしめている。
いや、抱いているだろう。
夢の中では、自由だ。
誰が、誰を抱こうが。
それを阻止する手立ては、ない。
もう一度ブランケットをかぶり、寝たふりを決め込む。
ジョージの荒い吐息にあわせ、徐々にベッドの軋みが激しくなる。
切ないうめき声。
そして、それは止んだ。
「スコージファイ、清めよ。」
小さな溜息と共に、呪文をつぶやくジョージの声が聞こえた。
なぁ、ジョージ。
やっぱり僕らは双子だよ。
体が、を求めている。
を、抱きたい。
それは僕も同じだから。
3人が幸せになれる方法。
僕はそれがあると信じている。
あとは
とジョージが、受け入れるかどうか。
「さすが。今日も一番のりだね。」
朝の夢精を引き摺っているのか、微妙に不機嫌なジョージのおもりは
リーにまかせることにした。
朝食をすませ、そのまま教室に足を踏み入れると、案の定、がいた。
寮監をつとめるマクゴナガルの授業だけでなく、はいつも教室に
一番乗りだ。
誰よりも早く教室に入り、窓側の席を確保する。
教卓や黒板をきれいにした後は、外を眺めたり、授業の予習をしたり。
当番でもないのに、はすすんでそれをこなす。
「めずらしい!フレッドがこんなに早く、教室へくるなんて。」
明日は雨?それとも雪かな?そんなふうにつぶやく君は、無邪気だね。
それがのいいところ。
そんな君だから、僕らは惹かれたんだよ。
「、窓の外をみてごらんよ!」
「え? またなにか悪戯したの?」
ゆっくりと、ゆっくりと、を教室の隅へといざなう。
「いや違うって、ほら、噴水のそば。」
「あ! あの猫ってフィルチの・・・」
「猫でも恋をするんだなぁ〜。相手はスリザリン監督生の猫だろ?」
「でも、幸せそうだね。」
視線の先には、愛を育みはじめた幸せそうな猫のカップル。
そっと寄り添い、まるで語り合っているようで。
その様子を見て微笑むも、とても幸せそうだよ。
でも、僕らがもっと、を幸せにしたい。
もっと笑顔を見たい。
「は、僕らが好きだろ?」
驚く君に、僕の想いを告げる。
いいや、僕らの想いを。
。
これは提案でもあるけれど、告白なんだよ?
わかるかい?
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