Ghost Waltz - Story 2 -
赤毛で、悪戯好きな、双子のウィーズリー。
クィディッチで見せる精悍な体つきや、そのカッコイイところは
判り切っていたとはいえ、それ以上に校内で見かける彼らといえば、
だいたいパターンは決まっていた。
「まてぇーーーー!!!」
「待てといわれて」
「待つような間抜けは」
「「いませんよ〜〜〜!」」
スルリと生徒達の間をすり抜けながら、器用にフィルチから逃げる姿。
追いかけられるだけのことをしたのだろうけれど、彼らを咎める生徒
なんて、ほとんどいなかった。
「・。フレッドとジョージを見かけませんでしたか?」
「いいえ、見ていません。マクゴナガル先生。」
「そうですか。見かけたら私の所へ来るよう、伝言頼みますよ。」
たまたまなのか、それとも先生が私に頼みやすいからなのか。
ふたりの呼び出し伝言を頼まれることが多くて。
そんなときは決まって彼らの妹、ジニー・ウィズリーがそっと一言。
「相変わらずの兄たちだけど、いいところもあるのよ?」
さわやかな笑顔とともに、現れる。
同級生でもあるロンに対する辛辣なまでの兄弟愛しか知らなかった私も、
ジニーが入学してからこの3年間、フレッドとジョージの素敵な一面を
知ることができた。
悪戯をするにも、実はある一定の法則があることや、案外面倒見がいい
ということ、なにより妹に対する思いやりと、時折見せる優しい笑顔。
「うん、そうだよね。」
「よかった。は、ちゃんと解ってくれているから。」
「ジニー・・・。」
ジニーは、妹ながらにきっと感じとっていたのだろう。
私が心に抱いている、『彼』に対する、淡い気持ちを。
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