にとっては普通でも

その実 アブノーマルな愛のささやき

それが僕らの愛し方



Doubly Delicious -1-





 「「!」」

談話室に入ろうと、階段の最後の一段を降りると同時に
その身をふたりに絡み取られる。

 「おはよう! 。」

音を立てて額にキスをするのはフレッド。

 「、よく眠れたかい?」

ふわっと瞳の横にキスをするのはジョージ。

 「おはようフレッド。おはようジョージ。」

天文学の授業のおかげで、今日は少し遅い起床。
なのにいつもとかわらぬ、朝の挨拶。
ふたりの愛を感じて、つい顔がほころんでしまう。

 「朝から見せつけるなよ、ふたりとも!」

なにやらイライラしたロンが、耳を真っ赤にさせてその横を通り過ぎる。

 「焼いているのかい? ロニィ坊や」
 「これが正しい恋人のありかただぞ?」
 
それこそ見せ付けるかのように、フレッドが私の顎を引き寄せる。

 「ちょっ、フレっ・・・」

開きかけた唇に、フレッドの唇が重なる。
瞳を閉じたフレッドのまつげが、長くてキレイにカールしていて。
うっとりしながら瞼を閉じたけれど、侵入してきたフレッドの舌に戸惑う。
歯列をなぞる柔らかな舌の動きが、いつもと違う朝の挨拶をはじめる。

 「っん。。」

フレッドの舌は、逃げる私の舌を捕らえて、執拗に絡もうとする。
口内で絡み合う舌の淫靡な動きに、フレッドのキスは激しさを増す。
その間、フレッドの左手は私のスカートに入り込み、触れるか触れないかの
絶妙なころあいで太ももを撫でていた。
激しいキスに、頭の中が真っ白になりそうで。
フレッドのソフトな愛撫にのめりこみそうで。
私は立っているのがやっとだった。

トントンと、フレッドの肩にジョージが手を置く。

 「次は僕だよ?」

その言葉に、フレッドは当たり前のように私を解放した。

すくい上げられた私の唇は、ジョージのキスをそのまま受け入れる。
ゆっくり、ゆっくりと探るように口内をうごめくフレッドの舌は、
私の舌をそっとなぞる。ふれあうような、ディープキス。
フレッドとはまた違った、気持ちのいいキス。

 「っん!」

ジョージの右手は制服の隙間から中へと入り込み、シャツごしに
そのふくらみを包み込む。
ローブに隠れていることをいいことに、ブラを器用にずらしては、
硬くなり始めた乳首を指の間にはさみ、そっとその手を動かす。
広がる快感に流されて、感じ入っていたそのとき

 「さ! ふたりとも・・だなんて。」

吐き捨てるかのような、ロンの言葉。
涙声なのか、その語尾は震えている。

傍らにいたフレッドが、ロンの方へとスっと近づく。
ジョージはその身を離し、ロンに向き合った。

 「まてよロン。それは聞き捨てならないな。」
 「僕らは双子。僕らはふたりでひとり。」
 「が僕らふたりを愛するのは必然。」
 「ロニィ坊や。君は恋も愛も、まだまだ経験不足だな。」
 「「出直して来い!!」」

いったいどこから取り出したのか。
フレッドは小さな蜘蛛をロンの目の前にかざし、
ジョージがつまんだロンの襟から、その背中へとそいつを放り込む。

 「・・・・!!」

声にならない声をあげ、ロンは寮の外へと飛び出していった。
談話室には既に人影はなく、残ったのは私たち3人だけ。
それもそのはず。
時計はすでに1時間目の始まりを告げていた。

なのに、私はといえば。
ふたりからの中途半端な愛撫のおかげで、沸き起こる欲求に戸惑っていて、
授業のことなどすっかり頭から消えていた。

ふたりはといえば。
一目で分かる中心のふくらみを互いに見つめ、顔を見合わせていて。

 「ヤバい。このままじゃ授業なんて受けられないな。」
 「おぉ偶然だな、僕もさ。仕方ない、サボるとするか。・・・は?」

うつむいているけれど、私の頬は赤く染まっているハズ。
ドキドキが、収まらない。
自分から切り出すことは、たまらなく恥ずかしいけれど。
体の奥で点いた炎が、ふたりを欲しがる。

 「・・・して?」

一瞬、ふたりは驚いた表情をした。
けれど顔を見合わせたと思いきや、片側の口角をあげ、
ニヤりと笑ったのを、私は気づいていなかった。

 「がそこまでいうなんて」
 「よっぽどキスが美味しかった?」
 「ゃあん!」

耳元でそっとささやかれると、ふたりの吐息が敏感な部分にかかる。
思わず漏れた声の甘さに、自分でも驚く。
そして、下半身に広がる甘い疼きに、切なくなる。

 「顔、真っ赤だね。可愛いよ、。」
 「ちょっと瞳も潤んでて、、艶っぽい。」

 「お、お願ぃ・・・」

声を絞り出し懇願する私を、ジョージが抱えあげる。
フレッドが先を歩き、私たちは男子寮への階段を駆け上がった。



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あとがき

エロでスミマセン。続きます。
夢是美的管理人nao