どんなに遠く、離れていても。
見上げたこの空は、、君のいる場所と繋がっている。
そして、君が見上げる空も…。
Another Sky
ベッドに腰かけて、ぼんやりと外を見やる。
窓から見えるのは、オレンジ色の綺麗な夕陽。
曇天ばかりのイギリスでは滅多に見られない、
あの日と良く似た切ない夕暮れ。
「綺麗だなぁ。」
ついポツリと、こぼれた言葉に
「ああ。きっとみているさ、も。」
心を見透かされたようなきがして、声の方向に視線を移動させると、
そこには我が相棒、ジョージが佇んでいた。
照れくさくて向き直り、立ち上がって目の前の窓を開けたけれど、
そこにはまだ、見慣れない風景がひろがる。
「すこし、落ち着かないな」
「まぁ、そう言うなよ。そのうち楽しくなるさ!」
僕らの店の開店準備も大詰め。
依頼していた改装もようやく終わった。
今日は朝から鍵の引渡しをすませ、最上階に配した僕らの『家』に
ようやく荷物を運び入れることが出来た。
「さ、部屋も片付いたことだし、買い物でもいこうぜ。」
「新居初日のディナーだ、もちろん肉にしよう。」
「イカした音楽でもかけて」
「「パーティータイム!」」
陽気にジョージとかけあいながら、窓を閉めて。
鍵をかけて、『我が家』を出た。
新しいこの場所で、やっていけるのか、正直、不安になるけれど。
見上げた茜色のこの空は、のいるホグワーツにも繋がっている。
遠い空の向こう、君は何を思っている?
『ふたりなら、大丈夫!』
きっとなら、そう言うだろう。
だから僕らも、頑張っていくよ。
ここで、この場所で。
END