僕の手に、吸い付くようなの肌。

“男”の僕とは違う、やわらかくて、甘い香り。

それはまるで・・・





A Marshmallow -FRED Ver-







 「ちょ、ちょっと、フレッド!!」

 「どうかしたのかい? 

 「・・・やめて、この手!」


小声でが、僕をたしなめる。

彼女の肩、いや、ニットの下に入り込んだ左腕は

今まさに、その居場所から退去命令を出されてしまった。


 「なんだよ・・・先生気づいてないってのに。」

 「あのねぇ。今は授業中でしょ!」

 「スリルがあるじゃないか、しかものココ、硬くなっッ!?」


突如襲った、わき腹の痛み。

まぎれもなく、が僕の左わき腹に肘鉄を食らわせた証拠だ。


 「こんな後ろの、しかも隅の席に座らせるからおかしいと思ったのよ。」

 「だって退屈じゃないか、天文学の授業なんて。」

 「今夜の天文実習の事前授業なんだから、ちゃんと聞いてよ!」


なんて、半分キレかけただけど。

僕がその柔らかなふくらみを包み込み、ゆっくりとまさぐりながら

その先端にある可愛い突起を軽くはじくと、ピクリと反応したのは誰だい?

下半身をもぞもぞとさせ、カンジていたのは、いったい誰だい?

まんざらでもなかったはずのが、いきなり拒否るなんて。


 「納得いかねぇ・・・」


そんな僕のつぶやきを、そ知らぬ振りしては黒板に向き合っていた。

にかまってもらえない寂しさと、この欲望のベクトルをドコに向けるべきか。

綺麗なラインのの横顔を眺めながら、僕は眠りの森へと旅立つしかなかった。



* * *



気がつけば授業は終わり、僕はジョージに起こされた。

隣にいたはずの、の姿はもちろんなくて。

ただ、目論見どおり、行き場のなかったベクトルも消滅していた。


 「なんだよ、に相手にされなかったのか?」

 「・・・顔に、でているか?」

 「ああ。」


ククっとジョージが隣で笑う。

それこそ楽しそうに。


 「まぁ、今夜を楽しみにしておけよ!」

 「はぁ?!」


含みを持たせたまま、ジョージはお先にと階段を駆け降りていく。

なんのことやら、意味も理解できない僕は、そのまま寮にもどった。


最近、ジョージと別行動をとることが増えてきたような気がする。

といっても、悪戯を実行するときはもちろん一緒なのだか。

アイツはアイツの付き合いが、僕には僕の付き合いが、少しづつ増え始めた。


 「さてと、夕食までのんびりしましょうかねぇ・・・」


クィディッチの特集記事をパラパラとめくりながら、ベッドに体を沈める。

ところが、文字も写真も頭に入らず、気がつくとのことを考えている自分がいる。

の可愛い声を、聞きたいのに。

の上気した顔を、思う存分見たいのに。

試験の準備期間とはいえ、今月、とふれあえた時間は片手ほど。


 「やってらんねーよ・・・」


悶々とした気分だけが沸き起こる。

そのうち、さっきの中途半端な眠気がまた襲ってきた。

眠ってしまえばいい・・・そうすれば、忘れられるから。

仰向けになって、僕は瞳を閉じた。



* * *



 「おい、フレッド。おまえの番だぞ!」


リー・ジョーダンに揺り起こされて、目が覚める。

どうやら本気寝していたらしい。

時計を見ると深夜2時。


 「さんきゅ、リー。もしかして僕が最後?」

 「ああ、おまえ達のペアが最後だよ。」

 「了解。」


すやすや眠るジョージを横目に、ローブにマフラーと身支度を調え部屋を出た。

天文学の実習なんて、決められた時間内の天体の動きを書き留めるだけ。

今回はこの寒空の下で15分間。

しかも無作為ペアらしいし。


 「ったく、いったい誰だよ相手・・・え?」


談話室で待っていたのは、だった。

ローブにマフラー、耳あてまでして完全防備だ。


 「フレッド。 さ、天文台へいくわよ!」

 「あ、ああ」


一気に目が覚めた。

僕は興味もなければやる気もなかったのに。

天文台へと続く階段が、もどかしく感じる。

と2人だけで過ごせることが、嬉しくてたまらない。

見上げた空には、満天の星。

頬に、晩秋の冷たい空気がしんしんと伝わる。

ランタンをテーブルに置き、イスに腰を下ろす。


 「さてと、なにやるんだ?」

 「・・・やっぱりね。」


ため息をひとつついたは、おもむろに羊皮紙を取り出しながら、

僕の隣へそっと腰かける。


 「流星の数と、その出現範囲の測定よ。」

 「なんでそんなことやるんだ?」

 「・・・先生に聞いてよ。」


文句を言いながらも、嬉しさがこみ上げる。

使って、といわれて手渡されたのは、天体図。

なにやら書き込みが既にされている。


 「が用意したの?」

 「誰かさんは、眠っていたものね〜。」

 「・・・!」


お礼がわりに抱きつこうとしたのに、スッと体を引かれる。

代わりに軽く、ほんの一瞬だけど、君からのキス。


 「さっ。そ・く・て・い!!」

 「了解。」


のキスが原動力になったのか。

まるでご褒美を前にした子供のように。

言われたとおり、から受け取った天体図を見ながら、空を見上げる。

月は既に沈み、澄んだ空気のお陰で、頭上には星の海が広がる。


 「確か・・・あ、あの辺りなんだけど・・・」

 「「あっ!!」」


同時に声を上げたのは、星がふたつ、同時に流れたから。

それは特徴的な配置の星の、すぐ近く。


 「フレッド、今の場所に印!」

 「おっけー。」

 「また!!」

 「大丈夫、チェックした。」


たった15分なのに、星はいくつもいくつも、僕らの頭上を走る。

その度に、は嬉しそうに声をあげ、僕はその場所に印をつけた。


 「あ、時間だ。」

 「でもまだ、星が降ってくるね・・・キレイ。」


手元の懐中時計から目を離し、見上げる。


 「の言葉、ぴったりだ。」

 「え?」

 「星が、降っている。」


の背中を、そっと包み込む。

今度は、逃げない。

耳あてをとり、その耳元にささやく。


 「・・・その、ありがとう。」

 「お礼を言われる筋合いは」

 「本当は、ジョージなんだろ? のペア。」


小さく、そしてゆっくりとがうなずく。

僕は見逃さなかった。

天体図の裏にあった、ジョージのサイン。


 「私がイヤだったの。フレッドが、その・・・他寮のコとペアなのが。」

 「え、知らなかった。」

 「やっぱり! ジョージが上手くやってくれたのよ?」

 「奴にも礼を言っておくよ。それより・・・」


が、嫉妬してくれたことが、なによりもうれしくて。

僕のローブでを包み込むと、ほのかに彼女の体温が、僕に伝わる。


 「僕には、だけだから。試験よりも、だから。」

 「フレッド、、、試験もちゃんと受けてよ。」

 「それは・・・どうだろなぁ〜、次第?」


くるりと振り向いたの、柔らかな唇。

さっきよりも、じっくりと味わう。

少しリップの味がするけれど、それ以上に絡めあう舌が、口内がアツイ。


 「・・・ァあん!  ふ、フレッド。。。んふ。」

 「のココ、やわらかくて大好きだよ。」


ローブの隙間からブラウスへ。

左手で器用にブラをずらし、かわいいふくらみを手のひらでもみ始めれば、

僕の手の冷たさからなのか、その頂がすぐさま硬くなる。

スカートの中へ右手をすべりこませ、太ももを撫でると、はビクリと

体を反応させて、サッと足を閉じた。

けれど、硬くなった乳首をキュッと摘むと、甘い声とともにその包囲網は

あっけなくとかれ、僕はの一番弱い部分へと、その指を進めた。


 「ココ、濡れてるよ?」

 「だぁって・・・フレッドが。。。」

 「僕が?」

 「くぅ・・・意地悪ぅんっ!」


じらすように円を描くのをやめ、ピンポイントで責めると、小さく震える。

の秘部を覆う布の隙間から指を這わせ、熱く滑るその中心部分を、

軽くつまんで上下にうごかせば、は一層激しく反応する。


 「んん!。。。ぁん、ァ、あ・・・はァ」

 「、寒くない?」

 「ん・・・アツイ、、、あついよぉ・・・フレッドぉ。」


テーブルに置かれた、ランタンの炎に照らされたの、

その潤んだ瞳があまりにも色っぽくて。

あえぐその唇があまりにも艶っぽくて。

背筋が、いや、僕の中心がズクンと疼くのがわかった。

もう、

我慢、







イ。



 「。上に、乗って。」



ちいさくうなずいたを確認して、僕はズボンを少し下ろした。

ピンクのチェックが可愛い下着を、は膝までおろして、

そのまま僕の中心へと、ゆっくり体をうずめる。


 「ぅ。。。の中、あったかいよ・・・。」

 「ふっ・・レッドぉ・・・んん!」

 「動くよ?」

 「っん、くぅ、あん!」


慣れない体位は、に負担をかけてしまうようで。

の動きと、僕の動きが上手く合わない。


 「もっと、キモチよくなろ?」


の腰をそっとささえ、僕は彼女の中に入ったまま立ち上がり、

にテーブルへ手をつかせ、快感を貪るように動いた。


 「ぁ。。。ふ、フレッ・・・ド  んんっ!」

 「・・・っッ!!」



* * *



 「風邪ひいたら、フレッドのせいかな〜。」

 「そしたら僕にうつせばいいじゃないか。」

 「どうやって?」

 「こうやって!」


天文台からゆっくりと、談話室へと戻りながらとふざけあう時間。

誰もいない天文台の塔の階段で、僕はまた、を求める。

僕の手に、吸い付くようなの肌。

やわらかくて、甘い香り。

何より、気持ちイイ。

僕を虜にして止まない。

、君はマシュマロ。






END

あとがき


エロです、エロです。天文台の構造は謎ですけどね、サーセン。
ジョージ夢の『A Marshmallow』を思いついたときに、フレッドなら?
と考えながら、頭の片隅にあったものです。ようやくまとまりました。
エロエロフレッドで、ほんと、スミマセン!(≧3≦)

夢是美的管理人nao