どこまでも蒼く、
青く澄みきっている。
私の好きな、空。
sky of love
ふくろう小屋へと続く小道。
すこし脇へそれた所に、とっておきの場所がある。
なだらかな東南向きの斜面。
ふんわりと茂る柔らかな草。
私の見つけたお昼寝スポット。
「、また空を見上げているのかい?」
真っ青だった視界を、突如覆った、赤い髪と、彼の顔。
「あっ、フレッド。見て、空がとってもイイ青なの!」
草むらから起き上がることなく、天を指差し答えると、
短いため息をもらしながら、フレッドが隣に寝転がった。
「は決まってココだよね、最近。」
「だって・・・空が、綺麗だから。」
「確かに。」
午後の日差しが、あたたかく降りそそぐ。
その角度は眩しくはない場所にあって。
空はどこまでも青く澄み切っている。
耳に届くのは、小鳥のさえずりくらい。
「ねぇ・・・絶好のお昼寝日和、でしょ?」
まどろみかけながらも、ころんと寝返りをうつ。
そこには、気持ちよさそうに瞳を閉じたフレッドがいて。
少し甘えて、彼の胸に頬をよせる。
「いいよね、こういうの。」
「なにが?」
唐突な私の言葉に、フレッドが反応する。
私は思ったことを口にしただけだったけれど。
頭に浮かんだことを答えてみようとする。
「天気がよくて、空が青いこと」
「へぇー。」
「あ・・・とぉ、あたたかいこと」
「それから?」
「うーんと、こうやってフレッドと一緒にいられるってこと。」
「それだけ?」
「あ、そうだ! フレッドは、お日様の匂い。」
「・・・なんだよそれ。」
期間限定のお昼寝スポット。
あと数日もすれば、風も冷たくなるだろう。
そうなると、この蒼い空を見ながらのお昼寝は、少々厳しくなる。
「好きなのになぁ・・・この空。」
「はいはい。」
ポンポンと、フレッドが私の頭を軽く叩く。
お日様の匂いがする彼の胸の中は、安心して眠れる場所。
澄み切った空の下、こうやって過ごすのが好きだけれど。
移ろう季節に寂しさを感じずにはいられない。
「冬の空も、僕は好きなんだけど。」
そういいながら、フレッドが私を抱きしめる。
温もりに、包まれる。
「どんなところが?」
「え? 、わからないかなぁ・・・」
そういって、彼は私を抱きしめる腕を一瞬、強める。
鼓動が、トクンとはねた。
温もりだけじゃなくて。
彼がそばにいるという幸福感に、包まれる。
「ほら、こういうことが自然にできる、だろ?」
「・・・冬じゃなくても、してるし。」
「たしかに。」
ククっと喉の奥で、いつものようにフレッドが笑う。
秋の空が好き。
青く澄み切った空が。
この空の下、彼と過ごす時間が、私は好き。
END