突然の出来事。

友達だった人からの、告白。

ビックリしたけれど、うれしかったよ、ジョージ。





Happy summer time







 「ああ、返事はふくろう便にしてくれるかい? 今、聞くのが怖いんだ。」

 「うん、わかった。」


その髪の色と同じくらい、真っ赤な顔をした少年が目の前にいる。

彼の名前は、ジョージ・ウィーズリー。

悪戯好きな双子のひとり。

授業のたびに、私は通路を挟んで、彼の隣に座ることが多かった。

悪戯会議をするジョージ、居眠りするジョージ。

この2年間、いろんな表情の彼を見ることができた。

特にとがめることもしなかったからか、頼まれごともされた。

イイことも、ワルいことも。

そのせいか、他の生徒よりも彼と親しくなれた。


友達・・・そう、私はそう思っていた。


 「。ちょっといいかい?」


ロンドンに到着したホグワーツ特急から下車する直前。

私はジョージに呼び止められた。

いつものことかとおもったけれど、様子が違って。

そして、告白された。


 「、どうしたの?」

 「頬がゆるみっぱなしというか・・・ニヤニヤして。」

 「ふふ、ナイショ!」


久しぶりに会った私に、パパもママもビックリしていたけれど。

ダイヤゴン横丁にある家に戻ると、私はさっそく、ジョージに手紙を書いた。


 『 Yes 』


その一言だけど、ジョージには伝わるはずだから。


 「、隠れ穴までお願いね!」


くぅーっと一鳴きしたふくろうは、夕闇せまるロンドンの空に飛び立った。



* * *



ズザザザザーーーー!!!


の帰りを心待ちにしながら、留守番がてら、家の掃除をはじめ、

ちょうど暖炉の掃除をしようとしたとき、その煤けた物体が飛び出してきた。

赤い髪の毛と、その体の大きさに、見覚えがあった。


 「じょ、ジョージ?」

 「!!」


瞬間、ジョージに抱きしめられていた。

ジョージがきてくれた。

びっくりしたけれど、うれしかった。

ジョージの温もりが、ジョージの気持ちが伝わってくるようで。


 「すごく、嬉しい。 大好き、ジョージ!」


帰宅したママにビックリされたけれど。

交代でシャワーを浴びて。

ふたりで暖炉周りを掃除して。

よく冷えたソーダを飲みながら、ひと休み。


 「今朝、からの手紙を運んでくれたんだ。」

 「うん。」

 「読んだら・・・その、会いたくなったんだ。」

 「うん。」


テーブルを挟んで、私は少しうつむきながら、ジョージの話を聞いていた。

嬉しいけれど、恥ずかしくて。


 「ジョージ、あの・・・」

 「ん?」


思い切って顔を上げたとき、優しい微笑を浮かべるジョージが、

なんだか今までと違って見えて。

その・・・素敵にみえて。


 「な、夏休み、一緒に過ごせるの?」


ちょっと声が震えちゃったけれど。

昨日から考えていたことを、おもいきって聞いてみた。


 「そりゃ、が望むのならば!」


飛び切りの笑顔で答えるジョージがまぶしくて。

私の顔は、一気に赤くなる。


 「、なにを期待しているの?」


クスッと笑うジョージ。

フレッドと一緒に悪戯をするときの、あの笑顔とはまた違う。

今まで見たことのない、おひさまのような、あたたかな笑顔。


 「期待・・・そうね、ジョージのこと、いっぱい知りたい!」

 「っ!?」


いじられてばかりじゃ、ちょっとくやしいから。

言い返しながら、ジョージの頬に、キスをお見舞いしてやった。

そこにはホグワーツ特急で告白したときと同じ、真っ赤な顔の彼。


 「ジョージ、なにを期待しているの?」


夏休みは、はじまったばかり。

幸せで、楽しい休暇になりますように!






END

あとがき


これって・・・夏休み前に作った気がします。
夏が楽しみでしかたなかった2ヶ月前。
そのワクワク感をそのまま文にしちゃいました。

今は。
休みボケの頭で授業を受けるのはキツイ日々です。

夢是美的管理人nao