天井からはふり落ちる雪は、決して積もることはなく。
響き渡る、甘く切ないギターの音色。
ねぇ。
これが君と踊る、ラストダンスだね。
Magic Works
ホールの隅へと君をいざなう。
腰を引き寄せ、スローなステップに身を任せる。
ずっと、ずっとこうしていたい。
の髪に頬を寄せて。
の体温をカンジながら。
の香りに包まれていたい。
君は僕の胸に顔をうずめている。
「このままずっと、一緒にいられたらいいのに」
ふとの口から漏れた言葉に、寂しさを感じてしまう。
この対校試合が終わるころ、1年が終わる。
7年生の君は、このホグワーツを卒業してしまう。
それはもう、わかっていたことだけれど。
君がいなくなった学校を、僕は想像できないでいる。
「一緒にいるよ、ずっと。だから。。。」
握っていた右手をほどき、のあごをすくいあげる。
「僕を待っていてよ、ね?」
はコクリと軽くうなずいた。
いつもならキラキラと輝いているはずのその瞳には、
涙があふれていたけれど、そんな表情がまた愛しくて。
僕はたまらず、キスをした。
も答えるように、唇を重ねてくれる。
ゆっくり、お互いの気持ちを、確かめ合うように。
6年生の僕には、まだ1年あるけれど。
一足先に社会人になることを、恐れないで。
僕よりも年が上だということに、嘆き悲しまないで。
「、愛してるよ。」
僕のダンスが、上手くなったのは君のおかげ。
クディッチも、勉強も、そして人の愛し方も。
君に教えてもらったことは、僕の宝物だから。
君と過ごした時間も、この瞬間も、その全てがかけがえのない財産。
。
このラストダンスが、チャンスだったから。
君に、しっかりと想いを伝える、ラストチャンス。
「、僕と結婚してください。ずっと 一緒にいよう?」
の左手を掴むふりをして、ポケットに忍ばせておいたリングを
その薬指にはめる。
ほんのすこしだけ大きめだったリングは、スルっとの指にはまった。
「っ・・・はい。」
うつむき、消え入りそうな、か細い声で答えてくれた。
その肩は震えていて。
「ジョージ、ありがとう」
僕を見上げて微笑む君の顔は、涙の跡がいく筋もできていた。
不安なのは、僕も同じ。
学校とは違う、社会という場所に身を置くことになる。
君の心が離れないように、愛という魔法をかけたこのリング。
どうか、この魔法が効きますように。
僕の愛が を守りますように。
僕はそう 信じている。
END